東京家族を見ると生きる意味が少し見えてくる 東京家族の感想


最近では家族が離れ離れになり、別の生活をしている事が多い。
都市に出なければ就職出来ないという日本の現状。
「東京家族」ではそんな日本の現状と、家族のあるべき姿が美しく描かれている。
十代には伝わらない映画かもしれないが、ある程度年齢を重ねた人には心に深く染み入る。
ネタばれを含みながら「東京家族」の感想を記載します。

東京家族の感想レビュー


親が子供を思う気持ちと、子供が親を思う気持

「東京家族」は山田洋次さんが監督です。
親が子供を思う気持ちと、子供が親を思う気持ちのすれ違いを素晴らしい形で表現されています。
特に男性には今回の作品は響くと思います。

父親にはいつまでたっても勝つ事が出来ないが、
どこかで「褒めてほしい」と子供は願っている。
褒めてほしいというよりも、認めてほしいという気持ちが強い。

長男・長女、そして妻夫木聡さんが演じる次男。

次男は舞台美術のアシスタントで生計を立てているが、
安定しない職業で将来が見えないという事を本人も自覚している。
しかし、本人にとっては将来がどうかというよりも、今が大切なのだ。

親からすれば安定した職業に就き、結婚し、子供を産む。
これが何よりもの幸せであると思う。

このすれ違いの中で親と子に気持ちの葛藤が出来る。
父親からすれば認めてやりたいが、上手く表現出来ない気持ち。

子供からすれば面と向かって「ありがとう」と言えない気持ち。

どちらも別に間違ってはいないのだが、
父親と子供には何かしらのすれ違いがある。
そのすれ違いを上手く橋渡ししてくれているのが母親。

母親には何でも話す事が出来るが、父親には無理。
どうして日本の家庭は皆同じなのだろう?と不思議に思うが、
やはりこの映画でも同じだ。私も同じだ。

どうやって話していいか分らないし、何を話していいかすら分らない。
小さい時は普通に話せていたのに、いつからか話せなくなる。

これは男特有なのかもしれない。

自分の道を貫き通すという固い信念が邪魔をするのだ。
年齢を重ねれば頑固になり、若い世代であれば甘いという事になる。
親父のようにはなりたくない。これは多くの男性が思う事だろう。

母親の偉大さは分っているのに


母親がいかに偉大であるかは子供は十分に分っている。
そして物凄く信頼も強い。正直に言って家族の中で母親が一番信頼できる存在である。
そりゃ産まれてくる前はお腹の中にいたのだから当然だろう。
言葉では説明できないほどの何かが母親と子供の間にはある。

「ありがとう」

このひと言がいえない。

どうしてだろうか?本当に自分でもバカじゃないのか?
ってほどに言えない。

親孝行と火の用心は灰になる前

ことわざにもある。誰もが知っている。

でも出来ないのだ。男って本当にバカだと思う。

私の両親は健在だが、この映画の中に登場する両親とあまり年齢が変わらない。
この映画のように突然母親が亡くなってしまうという事もある。
その時に親孝行が全く出来ていないと確実に後悔する。
世の中で本当に親孝行が出来ている子供が何割いるのだろうか?
「人間ってあっけないものね」
姉の台詞にもあったが本当にそう思う。
やはり今この一瞬、今日を真剣に生きていかないと駄目なのだ。

東京で1人暮らしをしている人が「東京家族」を見ると確実に泣きます。
そして家族に会いたくなります。

「東京家族」を見て思う「親孝行」とは
家族の事を大切に思うだけで良いのでは?
とすらこの映画を見て思いました。
家族全員が笑顔で一緒に生活をして親が亡くなるのを全員で看取る。
これが一番の理想です。
しかし今の日本ではとても難しい。
お父さん役の橋爪功さんが居酒屋でぼやいていたシーンでもありましたが、
「なにかがおかしい。もう元に戻す事は出来ないのか?」
この台詞のように日本は本当に間違った進み方をしているのかもしれません。

スポンサーリンク


スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿