母と暮らせばは良い悪いではなく、見ておいた方がいい。映画ではなくお芝居を目の前で演じられているような感覚


吉永小百合さんと二宮和也さんが共演で話題になっている母と暮らせば。世間ではスターウォーズが大注目されていますが、「母と暮らせば」は実に素晴らしい映画です。個人的には吉永小百合さんをスクリーンで見た事がなく、二宮さんの演技も好きなので見に行ったわけですが、どのように説明するのが正しいのか分かりませんが、映画というよりもお芝居を見ている感じでした。

生きる意味や人間の本質を描いた作品


はっきり言って内容はひたすら哀しいです。見ていて凄く苦しい。洋画だとダンサー・イン・ザ・ダークのような感じです。内容は全く違うのですが、見終わった後の気持ちの変化は同じ。決してハッピーになれる映画でもなく、気持ちが前向きになれる事もない。かなり落ちます。

世の中にこんなに哀しい事があっていいのだろうか?

ここまで自分が落ちると予想していなかったので、普通に映画を見てその後は友達とカラオケの予定を入れていたのでカラオケへ。友達から言われた言葉は「何かあった?」です。

美輪明宏さんが戦争についてお話していたり、ヨイトマケの歌を紅白で歌唱されて話題にはなりますが、やはり私のような30代では実際にあの時代がどんなだったか把握するは難しい。

二宮和也さん、美輪明宏さん、山田洋次さんの対談がNHKで放送されていました。その対談の中で二宮さんが言った「僕達の世代は最初から戦争は駄目、悪いことだと教えられてきたので、知るキッカケがなかったし、悪いことだと分かっているので詳しく知ろうとも思わなかった」というような内容の事を言っていましたが、まさしくその通りで、あくまで想像しか出来ないので実際にどうだったのか、知ろうとはしてこなかった。

NHKの対談の中で三輪さんは、同じような事が繰り返されようとしている。直ぐ足元まで迫っているとおっしゃっていました。確かにそのように思います。

「母と暮らせば」は良い映画、悪い映画という話ではなく、見ておいた方がいい映画です。吉永小百合さんの演技力と、覚悟。なぜ大女優と言われ続けるのかやっと私は理解出来ました。

話は凄く哀しく、ひたすら辛いのですが、その中にある希望だったり、人間が生きる理由というのが心の深い場所に問いかけてきます。見終わった後も周りの人は泣いているのではなく、ただ呆然とし、どうしていいのか分からないという状況でした。ここまで文章を書いてみて分かったのですが、「母と暮らせば」を見ている時間はあの時代へタイムスリップし、あの家族の側で現実を見続けている感覚でした。今の世の中がいかに恵まれ、いかに幸せであるのかを突きつけられます。そして自問自答するのです。こんなに幸せな時代に生きているのに、たったそれっぽっちの頑張りで良いのか?って。

スポンサーリンク


スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿